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6年生の俳句(1学期)

~<ファジーな時間と座の文学>~

 今年度の2回目の校長俳句授業は6年生。晴れていれば校庭に出て、ipadで句材の写真を撮ってからと思っていましたが、あいにくの雨でしたので、教室にて行いました。

 教室へ向かうと、教室は授業前の準備の時間。この時間はいわゆるファジーな時間と言って、全員が揃うまでのルーズな時間です。こういう時は得てしてにぎやかになりがちですが、少しの時間を静かに待てるのはやはり、高学年でしょう。

 6年生はさすがでした。松組も、楠組も静かに本を読んだり、心を落ち着かせて前を向いて穏やかに待っているのです。この上質な空気の中で、俳句の授業は始まりました。

 最初に私から、今回は、「俳人協会」の全国俳句大会に投句するために俳句を作ること、季語を必ず入れること、6年生になってから見たこと、感じたことをよく思い出して、想像力を働かせて俳句をつくってほしいことなどを話しました。

 下書きの用紙を配った後、6年生はさっそく取り掛かります。上質な空気はそのまま変わらず、それぞれが頭の中で、句の材料を絡めとろうとしています。それは静謐な時間の中に、緊張感があり、恰も詩の神様が下りてきそうな時間でありました。クラスという〝座〟の空気がよい言葉を紡いでくれそうな時間でもありました。俳句は〝座の文学〟と言われますが、一人の力だけではなく仲間と一緒に詩情を高めていくものです。今回も、一人では中々作りにくい俳句でも、みんなと同じ空間と時間を共有することによって表現する力が湧いて、いわゆる「俳句脳」になっていく感じでした。言い換えれば、それは、俳句にしようというアドレナリンが出てくるということでもあります。それは〝格別な時間〟と言ってもいいでしょう。

 以下、今回の俳句をいくつかクラス毎に紹介します。

(松組)漬けてから毎日ながめ梅シロップ
暑い日は手であせぬぐい授業聞く
鬼ごっこ雨あせともにぐだぐだだ<
うめジュース氷ざとうをつまみぐい
炎天下理想の夏を考える
うぐいすの声が聞こえる勉強中
梅雨到来小雨のうちに遊びきる
帰り道走り走って冷しうどん
桜の木自然と集まる一年生
入梅の前兆朝のだるさかな
しばらくは桜の上の月を見る
(楠組)てんとう虫私の影で休んでる
道端で雨に打たれた梅雨の傘
勉強はずるずるはまる蟻地獄
学年の遊びは中止梅雨の手に
かみなりが空を走って部屋照らす
桜の木花びら散ってもいばってる
ウイルスめよろいかぶとよやっつけろ
そうめんと疲れを一緒に流しこむ
半袖ではしゃぐ校庭一年生
青空のセスナ機ぶるるハエのよう
虫いるが蚊取り線香まだ早い

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