ipadの投句箱 3学期
今年度最後の投句箱です。以下、全校保護者に文書で出したものを、転載します。俳句は個人情報保護のため、名前を伏せてありますが、ぜひご覧ください。
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三学期の投句箱(令和五年三月二十三日)
~おうちのひとと、よみましょう。~
校長 栗林 明弘
校庭の二本の桜がきれいに咲いています。今年度最後の投句箱の俳句をのせました。ぜひ、友だちの俳句を読んで、十七音で表現された世界を想像し、味わってみてほしいと思います。
私が俳句を始めたきっかけについて少し話します。それは三十年ほど前に高学年の授業で俳句をつくる授業をしたことから始まります。そのとき、自分も俳句をきちんとつくれれば、子どもたちもきっといい俳句をつくれるにちがいないと思ったのです。。
でも、自分で作ってそれで終わっては、その俳句がいいのか、悪いのか、わかりません。そこで、俳句のコンクールに出してみました。はじめはある雑誌に出しました。そしたら、つぎの一句がのったのです。
〝今朝もまた吾子の朝顔咲きにけり
それから、新聞にも出すようになりました。たとえばこんな句が新聞にのりました。
〝いつせいに見上げる顔に花火ひらく〟
そうやっているうちに、もう九十歳になる有名な俳人が銀座というところで、俳句をつくりながらお店をやっているというテレビ番組を見たのです。そして、私は勇気を出して、その人に会うためにお店に行きました。鈴木真砂女(すずき まさじょ)という人に会うためです。そして、それからなんどか通ううちに、今の俳句のグループを紹介してもらいました。それが『春野(はるの)』というグループで、わたしは今、そのグループで俳句を勉強しつづけているのです。
もし、鈴木真砂女という人に出会わなかったら、どうだったかとかんがえることがあります。俳句をつづけていたかどうかわかりません。とちゅうでやめていたかもしれません。そしたら、こうして、みなさんに俳句を教えていなかったかもしれないのです。
これから、みなさんは、いろいろな人や、いろいろなことと出合います。この俳句との出合いも、ぜひずっと大切にしてほしいと思います。
さて、来年度の投句箱ですが、ほかの先生が同じようにやってくれることになりました。ぜひ楽しみにしてください。以下、いつものように、花丸の句を中心に俳句をのせました。
一年 お花見で さくらちらちら 飛んでいる
うれしいな 森で見つけた つくしんぼ
おにたいじ まめをなげるの たのしいな
空を見て ふうせんういてる のりたいな
ふゆの空 ひなたの上は あたたかい
雪の歌 外でも中でも きこえるよ
もうすぐだ 一年生が やってくる
オリジナル ぼくのひな人形 ああかわいい
かぜふいて このはかさかさ きょうそうだ
二年生 新入生が 楽しみだ
せつぶんに こわいおめんで 父かえる
さくらもち 草がのってて おもちだよ
はるがくる さくらがさいたら 二年生
二年 かえるとき あっとゆうまだ さみしいな
ガーラにて 見下ろす雪山 光ってる
サッカーで さむさふきとぶ 中休み
あるんだな 卒業式は おとなでも
いもうとが コロナにかかり ふゆごもり
いちごがり たくさんあるね はるっぽい
受験期 病気にならずに 立ち向かえ
さくらさく 先生いない 朝の門
つたえたい チョコときもち あげたいな
トキワ松 みんないっしょに がんばろう
三年 春一番花粉ぐんだん到来だ
ひな祭り学校行けばつるし雛
スキー教室友達のおうえんゆう気出る
こうちょうがいなくなってもはいくやる
スキーして温泉解凍ぼくの指
ころばないアイススケート自慢する
お正月曲に合わせてけん玉だ
春一番吹いたらさらば三年生
蛤や湯気が出るのを待ち侘びる
咲きほこり風に吹かれて花びらも
四年 期間すぎ先生とお別れさびしいよ
スキーして元気にやろう本気だよ
あせがかく運動しすぎ暑すぎる
雪ふれば曇天さえも天晴れだ
五年 二月末計算テストでおよよよよ
ふと見れば葉もない桜春を待つ
六年 二月はねバレンタインで戦いだ
一年保護者 駆け足で父と登校大寒の朝
頬染める理由は彼氏か木枯らしか
菅公のしたいし梅香羽根木にも
気がつけば卒園式から早一年
二年保護者 陽春の宿屋で学ぶプログラム
春装うスカーフ久谷の皿模様
マスク明け顔も満開江戸彼岸
冬の朝離れがたいな温い子と
三年保護者 桃一輪見とどけ眠るお雛様
チューリップ未だか未だかと水をやり
金星を月の涙と見ゆる春
四年保護者 長人も去り行く弥生の小学校
背に受く師のまなざしや卒業す