みんなで観る楽しみ ~親子演劇教室~
11月のお楽しみ行事といえば親子演劇教室。トキワ松では今年で36回目を迎えます。
「演劇鑑賞教室」という行事は日本独自の学校文化だそうです。プロの劇団さんが学校に来てセットを組んで上演してくれるという、考えてみればとても贅沢なことですが、多くの子どもたちに豊かな鑑賞体験を味わわせたいという文化芸術団体と学校関係者、そしてそれを支える保護者・地域の方々の思いによって実現し、受け継がれてきたものです。
トキワ松では毎年全校児童と先生方、そして保護者の方々(自由参加)も一緒に鑑賞し、子どもも大人もみんなで一緒に非日常の世界を楽しみます。
今回鑑賞したのは劇団風の子さんによる『ちぇんじ~図書室のすきまから~』(作・演出/大澗弘幸)。本が大好きだけど自分の気持ちを人に伝えるのが苦手な主人公(小学5年生)が、本の世界と現実世界を行き来する不思議な体験をする物語です。
コミカルで生き生きとした登場人物たちの掛け合いや、浮かび上がる文字や回転ドアといった不思議な舞台空間に、子どもたちは大笑いしたり食い入るように見つめたり。最後はちょっとほろりとし、明日への元気をもらえる素敵な作品でした。観終わった後、図書室に行きたくなった子も多いのでは?
鑑賞後に教室を回っていくと、どの学年も感想交流で盛り上がっています。好きなシーンや面白かったセリフ、演出の工夫についてなど多くの子が活発に発表していたり、劇中のセリフをそっくり再現する子がいたり。「自分だったらどの本の誰と〈ちぇんじ〉したい?」という話題で盛り上がっているクラスもありました。ラストシーンでいきなり私が舞台に上げられたことの反響も大きく(?)、「校長先生が出てきてびっくりしたよ~」「僕が上がりたかった!」などとたくさん声をかけられました。
朝早くから準備をし、トキワ松に楽しく心豊かな時間を届けて下さった劇団風の子さん。どうもありがとうございました。(校長)
〈6年生が書いた感想より〉
・僕はもともと本が苦手だったけれど、今回の劇を観て少し本が読みたくなりました。登場人物がそれぞれ個性を持っていて面白かったです。あと、かき氷が食べたくなりました。
・面白かったです。少ない人数でたくさんの役を演じて凄かった。最初にステージの装飾がちらっと見えて、一つ一つの装飾が手作りだってことがわかって感心した。
・結末を少し予想していたのですが見事に外れ、おどろかされました。主人公が内気な性格から明るい性格に変わったので、展開がとても面白かったです。
・はやしあやかが裸の王様になり、洋服に着替える時に赤ずきんになったり、よだれ掛けになったりするところが面白かった。校長先生が途中から入ってきてノリノリで踊っていたのが面白かった。
・物語の中に有名な本がいくつも出てきたので「あ、あの本だ!」と内容が思い出せて、より面白かった。最後、裸の王様の物語が変わっていくのは見ていて楽しかったし、元の話より私は好きだった。