校内研修会 ~先生たちの勉強会~
実際の授業をみんなで見て学ぶ、先生たちの勉強会。今年度も講師に渡辺貴裕先生(東京学芸大学教職大学院准教授)をお招きして行いました。
授業開始前、先生たちが教室に集まってくると子どもたちはきょろきょろそわそわ。「〇〇先生が来た!あっ、◇◇先生も!」と先生たちの名前を一人一人呼んでいく子も。確かに、学校中の先生たちが自分たちの教室に集まってくるのはなかなか見られない光景です。
はじめは算数(3年松組・若狭先生)。「表とグラフ」の単元で、同じ棒グラフでも目的によって表し方の違いがあることに気付きながら、グラフから事象を読み取っていく…という内容の授業です。メインの活動ではトキワ松の図書館の利用者数データ(令和5年度・月別)が示され、そこからどんなことが読み取れるのかを考え、発表し合いました。
次は国語(3年楠組・太田先生)。『紙ひこうき、きみへ』(野中柊・作)を読みながら文中で多用される倒置表現に着目する授業です。はじめに『スイミー』『ドラえもん』などからさまざまな倒置表現の例が出されると、子どもたちから「おもしろい!」という声が。表現の効果について話し合った後、物語の序盤の「今日はきっと何かある。とくべつなこと!」という文に気付き、掘り下げていきます。
授業後、それぞれの授業を題材にして先生たちで気付いたことや感想を話し合いました。授業の中で起きていたことについて複数の目で振り返っていくと、「何をテーマにするか?」「何を問うか?」「どのような活動を用意するか?」…ということについて、新たなアイデアが浮かんできます。日頃授業をしていると、こちらの意図したことと子どもからの反応に〈ずれ〉が生じることがありますが、「その微妙なずれをどう見て、どう考えていくか。良いか悪いかということではなく、実際に起きていたことをどう受け止めるかが重要であり、そこから授業づくりのさらなる可能性が見えてきます。」と渡辺先生。先生がよくおっしゃる「授業についてみんなで話し合うのは楽しいこと」とは、みんなで〈可能性〉を探る時間だからなのだと感じました。
話し合いでは、授業の内容のみならず、3年生の子どもたちのよき姿(友達同士での相談や発表場面での素直で熱心なやりとり、落ち着いた授業態度やノートの丁寧さ、クラス全体の前向きな雰囲気…など)についても多く話題に上がりました。
毎回トキワ松に寄り添ってご指導下さる講師の渡辺先生、私たちに気持ちよい授業風景と学びの場を提供してくれた3年生の皆さんと先生方、ありがとうございました。(校長)