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ipadの投句箱 10月

10月の俳句を紹介します。今回も保護者の句が集まりました。以下、保護者に文書で出したものを、転載します。俳句は個人情報保護のため、名前を伏せてありますが、ぜひご覧ください。

十月の投句箱(令和三年十月二十九日)

~おうちのひとと、よみましょう。~

校長 栗林 明弘

 十月はやや投句が少なかったのですが、いろいろな俳句が集まりました。ぜひ、友達の俳句を読んで、十七音で表現された十月の世界を想像し、味わってみて下さい。

 ところで、みなさんからipadの投句箱に送られてくる俳句ですが、俳句としてだいたいできているものは三重丸をつけて返しています。さらにすぐれているものは花丸をつけています。みなさんは、いつもは三重丸なのに、ある時花丸をもらうこともあるでしょう。その時はきっとうれしいと思います。でも、どうして花丸だったのだろう、どこがよかったのだろうとその時に、考えてみて下さい。大体において、花丸の句にはよかった表現に〇がしてあります。それを手がかりに、三重丸と花丸の俳句の違いをよくくらべてみるといいですね。私は、だれかが作りそうな、当たり前のことを表した俳句には花丸はつけていません。どこかしらに自分らしさが表れていて、表現に自分なりの工夫があったり、自分だけの発見がある場合に花丸をつけています。どこまで表せば自分なりの工夫なのか、どの程度が自分だけの発見なのかは、たくさん俳句を作っていけば、そのうち「あっ、そういうことか」とか「なるほど、わかった。」と思う瞬間がきっときます。答えは、簡単には見つかりませんし、人に言葉で教えてもらってもわかるものではありません。自分の力で見つけだしていくものなのです。例えば、次の句で考えてみましょう。

「手ぶくろをつけたらりょう手あたたかい」

 手があたたかくなるのは当たり前です。ふつうの文なら、これでもいいのですが、これならだれでも言えることですね。感動を表す俳句にするには、手ぶくろをつけた時を思い出して、「手ぶくろをつけたら体あたたかい」と体全体があたたかいと表現したら工夫が見られますね。「手ぶくろをつけたら心あたたかい」もいいですね。その他にも、思い切って「耳が」や「息が」としたらどんな様子が想像できますか。もう少し細かく「手を入れて手ぶくろの指太くなる」と、手ぶくろの様子を表してもおもしろいですね。とにかく、一度作ってみた俳句をあれこれと思いめぐらして、自分だけの作品に仕上げましょう。

 さて、以下、いつものように、十月の俳句のすぐれた句の中から、一人一句に限ってのせました。保護者等も一句のみとしています。それから、ロイロノートに十一月も投句箱を作りますので、何句でも、何回でも送って下さい。

一年はっぱおち じめんがまっかに こうようだ
あ!はっけん! あまいにおいの きんもくせい
あきのにわ みんななかよく むしのこえ
五じのかね あきになったら うすぐらい
あきのそら げんきにはしり ほっぺうつ
二年たきさがし のぼったみちは けわしいぞ
こうていの いろんなおちば たき火みたい
十三夜 少し欠けても 美しい
らっかせい スポンとぬけた おいしそう
てつぼうを にぎるとひやり やりにくい
あきがきた おいしいたべもの ふとっちゃう
木の下に どんぐりの山 発見だ
背が伸びて ボタンの数が 増える秋
流れ星 だれかが弓矢を はなちけり
三年夕焼けが葉っぱを染める紅葉だ
運動会待てない時がないですよ
柿の木の下からねがう落ちてきて
秋の空空を見ながらかき食べる
虫たちもこれで終わりだ秋の日で
松茸や柿栗さんまほっくほく
イカダのり弁天島目指してしぶきあげろ
四年紅葉の葉熱意あふれる弟と
世田谷線秋の雑草和みゆく
五年水草を植えてほしいと金魚かな
六年夜風ふき秋刀魚の匂いが漂いだ
  
一年保護者握る手の温かさ増す落ち葉道
りんりんりん音合わせ終え出番待つ
子に言われ見上げた空の高きこと
紅葉は秋が深まる赤い糸
木漏れ日と清流おかずに秋ランチ
二年保護者真夜中に思い起して後の月
夕さんぽ日ごとに増える彼岸花
三年保護者廃屋を飾り立てたるからすうり
四年保護者秋の今温度が下がって震えてる
六年保護者雲間より耳の驚く稲光

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